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== おはなし ==

蛙には向かない職業 その4

この時を、まっていたのさあ!

おばさんの目は、らんらんと輝いています。

三袋くださいというキーワードを言ってくる、労働に適した人材がやってくるのを、まっていたんだああああ。

いや、あんたは蛙材というべきかもしれないけど、器用そうだし、24時間立ちっぱなしでてんぷら揚げ続ける体力もありそうだし、ドンピシャリだよ。
おばさんは、手早くえぷろんをはずし、呆然としているまもちゃんに、揚げ箸をにぎらせました。
これであたしは自由だよ。長年ここに縛り付けられ働かされてきたんだ、残りの人生は、楽しく遊んで暮らすんだ!じゃーあとよろしくね。

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おばさんは踊りながら、店を出て行ってしまいました。

一部始終を、水晶球から目撃したよるのうさこは、ここ、ままごと森で、じだんだ踏むばかり。
じょーだんじゃないのです。来るべき食糧難に、蛙捕られてれてどないするねん?!

よるのうさこは、一所懸命考えました。いくら怠け者でも、危機に瀕したら、やることやるもんです。自己防衛です。当然です。

そして、おもむろに、抽斗から、とっておきの美しい便せんをとりだして、見事な飾り文字で、お手紙をしたためたのでした。


ハルミンさま、お元気ですか?
こわいウィルスが、ミノ王国にも伝搬してるようですがお変わりなど、ありませんか?遠く離れておりましても、ままごと森から常に、ハルミンさまのお幸せとご無事を祈っております。
さて、このたび、ミノ王国に、うちのカエル、まもちゃんが、出稼ぎにまいっております。そう、あの、てんぷらバザール。がんばって、ついに、一軒、お店をかまえたようなんでございます。
ウィルス対策として自粛中のままごと森から、応援にいってあげることもできなくて、日々、心配だけいたしておるのですが、お近くでもあり、もしもしもし、お時間あれば、まもちゃんを、見舞ってやってはくださいませんでしょうか。
また、もみじてんぷらの、三つほども、ご購入くだされば、当人も、ずいぶん励みに、またオトモダチのハルミンさまのご尊顔を拝すれば、ココロ強さもいかばかりかと…いえいえ、三つ以上は、あの子を甘やかすばかりでございますので、くれぐれも、三袋と…


などと、美辞麗句を書き連ねる、よるのうさこの、のどかなのどかーな、昼下がりでありました。

おしまい
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== おはなし ==

蛙には向かない職業 その3

          帰ってこない!
ままごと森で、よるのうさこが、おヒスを起こして暴れています。かえるめ、帰ってこないじゃないか!
せkっかう開発した簡単培養のコドモタチの出荷販売も、なんか世界的にやばい何かが流行しだしたとかで、流通がとまってしまったり、お店が閉まっていたりで、もうほんと、いったいどうなるの?せめて、あの、もみじてんぷらの美味で、日々の無聊をなぐさめんとして送り出したのに、まもちゃん帰ってこないやん!
逃げたのか?ついに逃亡したのか?やがてきそうな食糧難にそなえて、おいしく育ててきてやったご恩も忘れて、かえるの分際で逃げだしたというのでしょうか。

よるのうさこは、これでも、ただの意地汚いうさぎとは、違うのです。多少の妖術はつかうのです。まもちゃんのように、時空を超えるドアはくやしいけど使えませんが、逃げだしたカエルくらいは、この水晶で、追跡できるのさ。はっはっは★

ほんとは水晶も面倒でやりたくない怠けもののうさこは、しぶしぶ、埃のたまった水晶球を、出してきました。
さあーて、かえるめ、どこにおるのか。
あれま、感心に、ミノ王国に、それも、てんぷらバザールにおるではないか。うさこは、ほっとしながら、さらに水晶を…。
薄暗い小さいところで、ひとのよさげなおばさんと、交渉しているわ。

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一袋では足りません、せめて三袋。ほほう、まもちゃん、偉いしかしそこで10キロとか、言わんかいな。
うさこは内心、思います。
その時です。三袋とまもちゃんが言ったとたん、おばさんの顔が変わりました。さっきまでの人の好さげな顔が。
とっても恐ろしい顔になって、同時に、まもちゃんのちいさな手が、おばさんに、ぐっとつかまれるのが、水晶にはっきりと映りました。

あたしゃこの時を待っていたのさ!!!
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== おはなし ==

蛙には向かない職業 その2


すっごく遠いし、山越えててくてく歩いていくしかないけど、ミノ王国まで、てんぷらゲットのたびにでるしかないのだ。がんばれまもちゃん。いつも報われない君の努力だが、それでも、がんばれ。世界を救うのだ。

ってどなたがおっしゃっているのやらわかりませんが、まもちゃんは天の声をきいたような錯覚にかられたのかなんだか、ともあれ、出発したんでした。ホイルに包んだおむすびだけ持って。

まもちゃんの旅路の詳細はカットします。虹色の谷で遭遇した、泣き虫のドラゴンとか、年を取らない仙人の群れに、宇宙との交信を披露させられたこととか、湖畔の廃屋に泊まろうとしたら、太古の火星の記憶映像が一晩中再現されてうなされたこととか、あれこれあったらしいけど、まあ、どれも誰の身にもよく起こるよな、つまんない体験ですしね。
旅の間にまもちゃんが消費したホイル包みのおむすびが、6040個になんなんと及んだことだけを、記念としてここに記しておきましょう。

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でまあ、まもちゃんはミノ王国に無事、たどり着いたわけです。さっそくもみじてんぷらの山に向かいます。ミノ王国でも、てんぷらは、その山のバザールでしか、売られていません。そして、山道には頂上に至るまで、何十もの、てんぷらの販売店が並んでいて壮観…のはずが。どうしたことでしょう。まもちゃんが着いたもみじてんぷらバザールには、観光客もほとんどいないし、お店もほとんどシャッターがおりているではありませんか。
まもちゃんは、中途半端にシャッターを半分だけおろした一軒のお店を、のぞいてみました。

狭く薄暗い店内では、おばさんが一人、天ぷら鍋にむかっておりました。

あれまあ、かえるちゃん。
おばさんは、ちょっとびっくりしています。
あのーてんぷら買えますか?
ああ、てんぷら…この国にも、おかしな病気が流行りだしてねえ、お店堂々と開けるのも気が引けるんだけど…
おばさんは、はあーとためいきをついています。
でも、朝から注文がたくさん入ったから、こうして揚げているんだよ。一袋くらいなら、かえるちゃんにもトクベツ、売ってあげようねえ。

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で、その、おかしな病気って…
それがねえ、なんだかわかんないけど性格が変わるっていうか、どんどん欲が深くなっていくらしいのよ。それと、食べ物の好みがねえ。
おばさんは、ぎゅと眉を寄せました。
フランス料理しか食べられなくなるらしいのよ。
まあ伝染力は、さほどでもないんだけど、油断ならないからねえ。あまり出歩かないよう、王様がおふれをだしているから、こうして、こっそり商売するしか。はあー。

フレンチ…まもちゃんはその料理名を尋ねる勇気は、ありませんでした。キュイッスグルヌイユとかなんとか、そんな名前は、ききたくもありません…。げー。

故意に撒いたかままごと森のいいかげんな管理体制から漏れたのかはわかりませんが、原因は、よるのうさこの培養皿に間違いない。

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== おはなし ==

蛙には向かない職業 その1

ある時、ままごと森で、よるのうさこが、カエルのまもちゃんに、言いました。
これからは、もう、汗水たらして畠で働かなくてよくなるよ!これを見なさい。
うさこはガラスのお皿を、まもちゃんに差し出しました。ぷよっとしたものの中に、まぁるい物体が浮かんだ、ペトリ皿です。
見ているうちに、まぁるいものからとげとげが生えてきて。あれ、うさぎのおみみ?

そう、このお皿のなかで、森の子供たちを作れるし、しかも。空気中に放出すれば、勝手に増えていくらしいよ!まだそこまで、やってないけどね。
うさこは、ウフフと笑いました。
まもちゃんの脳裏で、アラートが鳴っています。
どうもこの皿で形を成しつつあるうさみみちゃんらしき子供の眼付が。お耳の次は、目玉ができてきているのですが、それがジロっと、まもちゃんを見た時の邪悪な感じが…。

そのあと、よるのうさこがお昼寝するので、まもちゃんは、培養皿の見張りを言いつかりました。見ていると、次第に、小さいながらもうさぎの人形ぽくなってきています。目の次にお口が生えてきたので、まもちゃんは、話しかけてみようと思いました。

🐸こんにちは。
『きれいなお洋服』
🐸はじめまして
『高級りぞーと』
🐸あのー…
『オカネ』
🐸…
『蛙の脚のフライ』

こここれは。よるのうさこそのものではありませんか!
やばいやばすぎる、これが空気中で増えていった場合、世界はどうなってしむのでしょうか?
それに、世界中の蛙たちも、食べつくされてしまうのでは!?

欲の皮だけでできているよるのうさこに、このウィルス並みの培養人形出荷を自粛させるのは、横にひろーく裂けた蛙のまもちゃんのお口をもってしても、ひと苦労であったのです。

一昼夜にわたる激しい談判のあと、うさこは静かにいいました。
じゃあさ、ミノ王国の、もみじてんぷら、買ってきて。それ食べてる間は、自粛してやってもいいよ。

ミノ王国には、ままごと森の行商おともだち、猫のひたい商店のハルミンが住んでいるのです。時々、ハルミンから、もみじてんぷらをもらったうさこは、その素晴らしい味に病みつきになりました。
しかし、もみじてんぷらはミノ王国の特産物で、国外では販売禁止。通販の密林でも、ラッキーパラダイスでも、手に入れることはできないのです。

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そして、欲深ウィルスの感染のおそれもある今、ハルミンにもってきてもらうことも、したくありません。

けけけ。まもちゃんにはどこでもいけますドアがあるじゃん。あれで、ぱーっといって、てんぷらどっさり、買ってきてよ。
うさこは意地悪く言い放つのですが、実はまもちゃんには、ドアがうまく使えなくなっているのでした。どうやっても目的と違う場所に出てしまうため、長らくおともだちの英国紳士、ブライアンヘリーさんにさえ、会えていない始末。
それ知ってて言ってるよね、うさこ。
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== おはなし ==

カナリア雑貨店の怪 最終回

そのドアを開けると。
カナリア雑貨店でした。

落ち着いた木の床、淡いグリーンの壁、天井から、壁からもぶらさがっている、たくさんの、鳥かご。
そして、奥の、どっしりしたカウンターの向こうに、一人の女の人が立っていました。


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髪も眼も、真っ黒なその人は、わたしには見向きもせず、指にとまっている小鳥に、えさなどやっているところでした。
小鳥。
姿がかわっていたって、わたしには、わかったのです。それは、わたしの赤ちゃんでした!

かえしてください、わたしが叫んでも、女の人はわたしに見向きもしないで、
「ぴーちゃん、どうしようか?」優し気にささやくのでした。


ぴーちゃんなんてよばないで!その子はわたしの子供の、ひなちゃんです!
私は一生懸命、さけんだつもりでしたが、女の人も、それに小鳥になった娘も、しらんぷりで、そっと顔をよせあって、ひそやかにひそやかに、何か語らっているようでした。
ぐるぐるぐるっと天井が回り、ぐらんぐらんと立っている床がゆれました。

気が付くと。
わたしはもとのマンションの床に倒れていました。あたりはもう夕方で、ほの暗くなりかけています。
子供は、赤ちゃんは、蛙は、カナリアは…?


見慣れたわたしの小さなマンションからは。ベビーベッドや赤ちゃんの写真、おむつやベビー服が全部、消えていました。幻のように。もちろん、あの、へんてこなドアも。

あそこで見たおびただしい数の、籠に入った鳥たち。
そう、あそこは、小鳥…子取りの店だったのだわ。

なんの手がかりもありませんが、私は今でも、あの店と、むすめのひなを、探し続けているのです。

おしまい













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== おはなし ==

カナリア雑貨店の怪 その2

赤ちゃんはすこやかに育ちまして、大声で泣いているのはあいかわらずですが、生活必需品の供給が安定したことで、私のキモチにも、ゆとりが生まれました。
お店のことも少し、再開の準備などできるようになって。よかった。なにもかも、まだ見ぬカナリア雑貨店のおかげ。

ただ、ひとつだけ、気になることがあります。
娘の顔が。あんまりわたしに、似てこないような気がする。
最近は、泣き声も、なんだかちょっと。赤ちゃんってこんな声でしたっけ?
とじこもりすぎて、育児ノイローゼ気味かもわかりません。そろそろ、お店を開店したいものです。

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今日も謎のカエルが、謎の方法で、配達にやってきています。
そして。カエルは、初めて、口をきいたのでした。

「カナリアの食べ物、これ以上、赤ちゃんに食べさせないほうがいい」
「え?」
わたしは、言葉の意味より、カエルはしゃべったことに驚いていました。なんだ、このカエル、口がきけるんだ。それも、ケロケロなんてんじゃなく、少しくぐもってはいますが、明瞭な発声なんでした。
「これ以上、カナリアのものを赤ちゃんが食べたら、いけない」
カエルはそういうと、くるりと踵を返して、たたたっと、階段を下りて行ってしまいました。

首をかしげながらへやにもどると。
娘はベビーベッドの柵をつかんで、立ち上がっていました。
わあ!初めて立った。駆け寄って抱き上げようとしたその時。
娘は一声、鳴いたのです。ええ、そのとおり、鳴いたのです。

ピィーッというような、鋭い、鳥のような声。
わたしは驚いて、抱こうとした手を思わずひっこめました。

娘はもう一声鳴くと、なんと。
開けていた窓から、飛び出して行ってしまった。ほんの一瞬のことでした。
呆然と立っているわたしの耳に、パタパタと聞こえていたのは、あれは、ほんとに羽音でしょうか?


何かの気配に、はっと振り向くと、帰ったはずの配達蛙が、いつのまにか、背後にいるのでした。
カエルは壁に向かって何かしながら、わたしをふりかえります。
なに?
蛙はわたしの手をひっぱって、いつのまにか壁に出現した、ドアの前に立たせました。そして、私の手を引いて、ドアノブに、触らせようとしました。ひんやりぺったりした、蛙の手でした。
え、ここ、さっきまで、ただの壁だったわよね?もしや、このドアに入れというのでしょうか?

ドアには、カナリア雑貨店、と、書いてありました。よろよろと、ゆがんだへんてこなその文字が不吉な感じで、私はもちろん、そんなヤバそうなドアは開けたくありません。
でもでも。
飛び去った子供を探す手がかりが、あるかもしれない。ためらったのち、わたしは、ついにドアをあけました。

つづく


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== おはなし ==

カナリア雑貨店の怪  その1

ある時、突然という感じで、その赤ちゃんはうちにやってきました。
わたしは小さな本屋を営んでおりました。好きな本や雑貨など集めた、ささやかなお店ですが、お客様には恵まれ、愛されてきたのです。
でも小さな赤ちゃんを授かってからは、お店はお休みです。赤ちゃんは、一日中、と思えるほど、大きな声で泣きます。だっこしてもおんぶしても泣いているのですが、下へおろすともっとおっきな声で泣くので、背中にくくりつけて、家事をしました。
毎日のお買い物、どうしようかしら?
するとある日、郵便受けに、一枚のチラシがはいっていたのです。

「食料品日用品一般、お玄関までお届けします。
  カナリア雑貨店」

知らないお店です。でも買い出しに、困っていたわたしは、そのチラシが、なんだか光輝いているようにみえて、すぐに、書かれている番号に電話したのでした。

プルプルプーという呼び出し音に、じき、女の人が出てくれました。
事務的だけど、てきぱき、きちんとした印象の応対。
わたしは、自分の住所をつげ、配達をお願いしました。

すると、翌日には、トイレットペーパー、お米、子供のミルク、おむつ、新鮮お野菜が届けられました。
助かった!
ありがたいことには、配達料も要らないそうです。
ただ、配達に来たものが、奇妙ではありました。

DSC_0184_20190115083059.jpgまもちゃんがんばってます


ドアチャイムが鳴って、出てみると、そこにいたのは、一匹のカエルだったのです。
エプロンをしたカエルと、たくさんの荷物が、ドアの外に待っていました。わたしが絶句していると、カエルは、伝票とペンを、背伸びしながら渡してきます。
驚きながら、わたしがかろうじてサインをすると、伝票をひったくったカエルは、たたたっと、階段を、直立歩行で降りてゆきました。

それからはいつも、このカエルが、カナリア雑貨店から、配達に来るようになりました。それにしても。
うちは、古ぼけたアパートの四階、エレベーターなんてありません。
あの、ちっぽけなカエルは、どうやって、荷物を運んでいるのでしょう?
緊急の時は、朝お願いして昼に届けてもらうこともできて、いつしかわたしは、買い物のほとんどを、カナリアにたよるようになっていました。多いときだと週三回は、このエプロン蛙に会うわけですが、カエルは一度も口をききません。そりゃそうか、カエルですもんね。
  つづく

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== おはなし ==

2019年初動のちょこっと告知★

ある時ね。
不思議雑貨店ギニョールのお二階に、絵描きでマルチアーティストの鷹塀さんがやってきました。
ままごと森出張所になっていたお二階で、よるのうさこは、おりしも、お芋のパフェにかぶりつこうとしていたのです。
鷹塀うさぎは、お部屋をざっとみてから、ポケットから、懐中時計をひっぱりだしていいました。

たいへんだたいへんだおくれちまいそうだよ★

床の穴に飛び込む鷹塀うさぎのあとを、パフェをたべおえたうさこが、追いかけて落っこちます。だってなんだかさ、とってもおもしろそうな予感!

入りくんだ中崎町の路地を駆け抜ける鷹塀うさぎを、うさこは、とろいあんよで、必死に追いかけます。
駆け込んだのは、看板もでていない、小さなお店。

そこはディジーちゃんのお店です。
長いまつげをぱたぱたさせながら、ディジーちゃんがいいました。

あたしもう、このお店、ひとにあげちゃうの。だからここにあるものみーんな、〇〇円で売っちゃうの。

お店の中は、そう、60年代くらいのアメリカのおんなのこのお洋服が滝のようにかかっているの。なんてすてきな、色とデザイン。
甘い甘い夢のお菓子のようです。
(鷹塀)みなちゃんみたいなお友達だけよーというディジーちゃんを尻目に、お洋服をにぎりしめる、うさこでありました。ふう。

いにしえのおんなのこたちで、きゃっきゃともりあがりました。今もあの夢のような時間を、忘れられないでいます。

久々にテンションが、桃色綿菓子のように、あがりまくりました。
ので、来年二月の、ままごと森作品展は、(いにしえの)おんなのこたちが、きゃっきゃとはしゃいでくれるような、そんな甘く儚い夢みたいな空間にしたいっと、決めました。

寒いシーズンですが、2019年㋁9日から、雑貨店カナリヤ、どうぞ遊びにいらしてね!

ちなみにディジーちゃんの刺繍いっぱいふわんふわんお洋服は、東京で、いろんな人から、かわいいーってほめられました💛鷹塀うさぎの穴に、またおっこちてみたいものです。ありがとう。





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== おはなし ==

動き回る森

ままごと森の空き地で。
三人のおばあちゃんが、お鍋をかこんでおりました。

「わたしらのこと、魔女とかゆうてるヤカラがいるらしいよね」
「らしいよね」
「しっつれいしちゃうわよね」
「ねーっ」
「あいつがいいふらしたらしいよ、いつかのあの若造が」
「あーあいつあいつ」
ばあちゃんたちは、深くうなずきあいました。

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「若くて一所懸命そうだから同情して、あれこれ教えてやったのにさ、恩知らずが」
「勝手に、王様になれると、わたしらが予言したとかななんとかゆうてからに」
ばあちゃんたちは、くふふと笑いました。
「わたしらそんな能力ないしー。
緑の自然は大事にしましょねって、教えたっただけじゃがな」
「そーそー、なんでそれが、森が動きださなければ王様になれるのだよって、わたしらが予言したとかなんとか」
「逆恨みもいいとこ」
ばあちゃんたちは、そうそうと、うなずきあいました。とっても気の合う、三人だったのです。赤の他人で、少し前にディサービスでしりあっただけの関係なのですが、妙に気が合うといいますか、価値観の一致といいますか。
いつも一緒。

「どだい、ままごと森なんぞ、あらゆる人の脳内に偏在しては消える、動き回る森なのに」
「そんなこともわからんで、王様になりたいなんちゅ愚か者、早々に、身を滅ぼしたらしいがな」
「もう、若い人に頼られても、何も教えてあげないことに」
「そうしましょ」
「そうしlましょ」

お鍋をかきまわしながら、ばあちゃんたちは、総勢一致で決議しました。平和そのものです。
しかしてそこに、一人の、いや一匹の?
前掛けをした(エプロンではなく)、珍しいカエルが、かけこんできました。
「あっあっ、いいとこに!おばあちゃんたち、Санкт-Петербургに行く道、どっちですか?」

ばあちゃんたちは、きこえないふりをしました。
ひとりは空をみあげ、ひとりはお鍋の中身をじっとみつめ、もうひとりは居眠りのふりで。
前掛けカエルが、ひとりで、森の空き地であたふたと、かけまわっておりました。

「サンクトペテルブルグーСанкт-Петербургにいかなくちゃー!」

     おしまいなの🐸
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== おはなし ==

前掛け族の反乱 その3

実は、まもちゃんは、しばらく前から気が付いていたことがあったのです。。
ままごと森のよるのうさこに、時々、妖しい荷物が届くのを。それは郵便屋さんではなく、ある日突然、空中に、あらわれるのです。その荷物からでてくるものは、赤やピンクや、花柄や、紺色、いろんな色と形ですが、いつもきまって、エプロンなのでした。
それは、あの、ややこしい森に棲む、大魔女きゃさりーん作のエプロンでした。
過去記事「木苺の誘惑」参照http://mamagotomori.blog44.fc2.com/blog-entry-859.html

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すきをみてうさこは、まもちゃんにも魔女のエプロンを巻こうと、たびたび試みましたが、これまでまもちゃんはなんとか逃げてこれたのでした。そして、大魔女のエプロンを巻かれてしまわない用心に、まもちゃんはいつでも、前掛けをしているのです。
あんなもの巻かれたら、うさこにこき使われるだけでなく、大魔女の家来にまで、されてしまうのだ。くわばらなのだ。
ところで、くわばらってだれかな。

まあいいや。

というわけで、まもちゃんは、絶対エプロンを拒否し、自覚はなかったけれど、その時から、前掛け族になったらしいのでした。
この機に乗じて、カエルのまもちゃんは、念願のスパイに転身。
怪しき妖術エプロンをつかうよるのうさこめを、スパイして、前掛け族のレジスタンス運動の先鋒をば、になうことにあいなったのである。

数日見張っていましたが、よるのうさこは、のんべんだらりと寝ているか、お台所でごそごそやっているかで、お散歩にすら行く気配がありませんでした。
まもちゃんは、安心しました。
これなら、予定通り、テキサス州におでかけしても、大丈夫。
ヘリーさんのほかにも、いっぱいトモダチできたんだもん、すごく楽しみー♪

洞穴レジスタンス軍には肥料(ケーキとかですね)を多めに穴に落としといてやればいいので、自分はそろそろ、旅立とうかな。
やっぱ、人生はまず、楽しいことを優先しないと。ね。

ではままごと森よ、しばしの別れ。

おしまい

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うさこのインスタ★



付記★前掛け族の末路

思いがけない長旅になってしまったまもちゃんは、帰国してすぐ、前掛け族のレジスタンス基地へ急ぎました。
アメリカの大甘ケーキをどっさり買ってきたよーあのこたち、甘いものしか食べないから。

洞穴におりてみると。
そこには誰もいませんでした。
なにやら踏み荒らされた痕跡と、敗れた数枚の紙、そしてすみっこには、泥だらけの前掛けが、たった一枚、おちていました。
まもちゃんがひろってみると、しわくちゃの紙には、

まもちゃんがもうじき来てくれる。

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よろけた文字で書いてありました。

おなかすいた、とか、みんながんばれ、とかも、かろうじて読み取れます。
まもちゃんは、横目で、隅に落ちている前掛けをみました。
これって…前掛けかな、えぷろんかな。
どっちにしても、まもちゃんは思いました。
戦争は終わったらしいから、ま、どっちでもいいや。
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