== 未分類 ==

孤独のまもちゃん


今日もおたより、こないなあ…

柚風さまより、郵便受けや松茸や掃除機など、多数いただいてしまった、文明開化なまもちゃんです。ありがとうございます。
あ…おそれおおくももったいなくも、松茸さまの箱にのっかってる…
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== つくったもの ==

まもちゃんは気がついた


みんな、こっそり、いいとこにいこうとしている…
あの、噴水こぽこぽのお店だな…
まもちゃんをおいていくつもりだな。そうは、まいらじ…
このうさぎにのって、いけるかな。
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== おしらせ ==

ままごと森 これからの参加イベント予定 

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たから。ももさん。投稿画像。
いつもありがとうございます。春らしいかわいいカラーだわ。



☆猫ふんじゃったなギャラリーたち(大阪市内多数のギャラリーで同時多発の、猫ふぇすてぃばる)
 雑貨店カナリヤさんでの参加 5月17~31日
 ままごと森にひそかに生息していた猫が10匹でます。

☆梅田阪神百貨店3F 5月23~29日(これはうちのこは4つばかりですが、まぜていただくことに)

☆雑貨店カナリヤ グリムの森参加 6月1~14日
  
 童話を題材にした作品展です。ままごと森は幾つできるか、わかりませんが、すてきな作家さん多数。
 童話お好きなかたはぜひ、お遊びにいらしてね。

ご質問があれば、まもちゃんの掲示板など、お使いくださいませ。
毎日ポストをのぞいて、がっかりしている、さみしいまもちゃんです。くふ。

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== おはなし ==

ハナちゃん狼 その5

それまでハナちゃんがみていた世界が、ぐるんと一変しました。

教室の半分は、いえ、4分の3の生徒は、動物でした。
ミミちゃんは猿だし、マキちゃんは、りすです。
ゆうちゃんなんて、あれまあ、カエルではありませんか。

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勝三郎は?
ハナちゃんは、動物園みたいな教室のなかを目でさがしました。

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なーんだ。
KATくんは、犬でした。
スマートでかっこいい犬だけど、あたしなんか狼だもんね。
ハナちゃんは、勝ったと思いました。

校内を見回ると、人間のままの子もちらほら居るのですが、なんとまあこの学校、真実の眼鏡を通すと、大半は、動物でいっぱいじゃあありませんか。

美人のイノウエ先生はと見ると、白い大きな猫でした。

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みんな小動物ばっかりで、狼は、ハナちゃんだけです。
なーんだ、今まで、こんなやつらに、認められたくって一生懸命になってたなんて。
ハナちゃんの胸に、狼としての誇りが、ふつふつと、湧き上がってきました。

でも、これでは、ハナちゃんが変身しても、誰も驚かないのは、当たり前かもしれません。


学校が終わると、ハナちゃんはモモイロ神社に行きました。
誰もいない場所に、しばらくいたかったのです。

しばらくすると、うさぎがあらわれました。
うさぎは、ハナちゃんをみると、にまにまっと、笑いました。
「どう、真実の味は。人間なんて、ほとんど残ってないんだよ、このあたり」

ハナちゃんは、眼鏡をうさぎに返しました。
「あら、もういいの?おうちの人たちも、みてみたくないかい、この眼鏡で」

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ハナちゃんは、首をふりました。
そんなこと、もうどっちでもいい気がしたのです。
「そうそう、所詮同じことなんだよ、人間でも、動物でもね。だいたい、誰も、気にしてやしなかっただろ」
うさぎは上機嫌でした。
「でも、どうしてもっていうなら、あんただけは、もとにもどしてあげても、いいかなって、思うんだよ。
あたしはさ、どうも気前がよすぎて、損ばっかりしてるんだけどさ。
それか、ボディも、狼にしてあげるとか。もう出血サービスだけど」   

ハナちゃんは、少し考えました。

「いい」

「え、そうかい」
「いいです、このままで」
「まーそうかい、もう、会うことはないと思うけどね、ラストチャンスだけどね。」

じゃあねと言ってうさぎが立ち去ったあと、ブランコにのりながら、ハナちゃんは、空をみあげました。
もう、月がでています。
春の夜風は、冷たいこと。
ハナちゃんは、月にむかって、ウオオオーンと、ほえました。
その声は、確かに、狼のものです。

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あたし、
めちゃかっこいいかも。

ハナちゃん狼は、もう一回、夜空をみあげて、ウオオオオーンと、ほえました。

  2012.4。16脱稿







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勝三郎くんのブログ
http://www.big.or.jp/~shimpset/burma/index.shtml

イラストがすてきl
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== おはなし ==

ハナちゃん狼 その4

ハナちゃんは、給食がはじまる直前に、学校を抜け出しました。
いくら目立たないと言っても、そんなことをしたのは初めてです。だけど、一刻も早くあのうさぎを見つけないと!
全速力で走ったので息がはあはあしました。やっぱり体は弱っちいもとのまんまだわ。
でも嗅覚は、狼になっているので、うさぎの臭いをすぐに嗅ぎ分けられます。

うさぎは、モモイロ神社にいました。ブランコをこぎながら、のんきに歌なんか歌っています。
「あーらまあ」
うさぎはハナちゃんをみると、満足げに言いました。
「いい出来上出来。近年まれなる傑作。ハナちゃんかぁっこいいよ」

「こんなのインチキじゃないですか」
ハナちゃんが詰め寄ると、うさぎはじっと目をのぞきこんで言うのです。
「お嬢ちゃんのほんとのほんとの望みを、奥まで察してかなえてあげました」
ハナちゃんはあっと思いました。確かにあの瞬間、ちらっと思ったのです。

狼になっちゃったら、新しいワンピース着れなくなるかなって。

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「ほーらね」うさぎはにまにま笑っています。
「あんた気にいったからね、オプションつけたげました。かっこよく狼になって、かわいいお洋服も、着られます」
「でもでも、こんなの、中途半端すぎ!せっかく変身しても、なんにも変わらないじゃないですか」
ハナちゃんは、懸命にくいさがりました。

「なんで人間は、感謝がないんだろ」
うさぎは、ぶつくさ言いました。
「じゃあまあ、春一番だから、さらにさらに特別サービス。あなたの疑問に答えましょう」
うさぎは、ハナちゃんにメガネを渡しました。
「真実の姿がみえるメガネ。ちょっとだけ、レンタルね」

ハナちゃんは、また走って学校に戻りました。給食の時居なかったのなんて、やっぱり誰も気がついてないみたいでした。
ハナちゃんはうさぎの眼鏡をかけました。

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== おはなし ==

ハナちゃん狼 その3

昨日の夜観た映画が、いけなかったのでしょうか。
あまりにもかっこいい、森林狼のドキュメンタリー。
ああ、狼だったら、誰もハナちゃんを無視できないでしょう。
毎朝、ハナちゃんをからかうあの勝三郎だって、ハナちゃんの前にひれふすのです。狼だったらいいのにな。

うさぎは、にんまり笑いました。
「おもしろいねえ、あんた気にいったよ。じゃま、そういうことで」
ハナちゃんのまわりで、空気がぐらっとゆれました。

気がつくと、自分のお部屋にいました。
へーんな夢。
ハナちゃんは、手をのばしてみました。どこも、かわったところはありません。
か細い小さな、ハナちゃんの手です。

キッチンで、おかあさんが呼んでいます。
「学校にいく時間ですよー」
では、もう、朝なのでしょうか。
どこからが夢だったのかなあ。
ふと鏡をみて、ハナちゃんは仰天しました。

ハナちゃんの顔は、狼になっていました。

どこからみても、確かに狼です。長くのびた鼻づら、真っ白い牙、ごわごわ毛のはえた顔。
でも、首から下は、女の子のままなのです。

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ハナちゃんは一生懸命、鏡をのぞきこみました。
いくらみたって、おんなじです。
頭だけ狼の、女の子。

ビックリから立ち直ると、ハナちゃんは、ちょっとワクワクしてきました。
一番気に入ったのは、金色に光る,眼です。
かっこいい…。
これまで、誰の注意もひけなかったのは、目力がないせいかもしれません。
これで、ハナちゃんを無視なんて、もうできっこない。

ハナちゃんは、自信にみちて、階段をおりてゆきました。

「おはよう、早くごはん食べてね」お母さんは、弟を抱っこして、片手で、台所のことをしています。
お姉ちゃんは、トーストをかじりながら、興味なさげにハナちゃんを、じろっとみました。
いつもとおんなじです。
ぜんぜん、いつもの朝です。

その朝、ハナちゃんは、ごはんを食べないで、学校へいきました。
それさえ、お母さんたちは、気にもとめないのでした。いつものことですが。

学校はどうかしら。
毎朝、ハナちゃんをからかう、あの勝三郎。
「おう、ハナコ」

これまた、いつもとおんなじでした。
ちょっとかっこいいので、余計しゃくにさわるKATくんの背中を、ハナちゃんは、金色の目で、にらみつけました。
でも、なんにもおきはしません。
KATくんは、変な節をつけてハーナコー♪とうたいながら、むこうへ行ってしまいました。

急いでトイレに行って、鏡でチェックしてみても、ハナちゃんの顔は、完璧に狼なのに、なんで誰も気がつかないの?






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== おはなし ==

ハナちゃん狼 その2

「…お水を…」

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目深にショールをかぶったかげから、弱弱しい声がしました。
ハナちゃんは、かばんにあった、ペットボトルを、急いでとりだしました。
ゴクゴクゴク。
一気に水を飲みほして、立ち上がったところをみれば。

おばあちゃんどころではありません。かなり大きな人でした。
「ああ、たすかった」
ハナちゃんの頭の上から、声がきこえた時、ショールがずれました。
なんと、その人の頭には、ピンッと立った、大きなお耳がはえていたのです。
ペットボトルを持つ、毛むくじゃらの手も、はっきりみえました。

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「このへんの子どもは、薄情だねえ、声かけてくれたのは、あんたが初めて。
なにかお礼をしなきゃあね、なにが望み?」
おっきなうさぎ…ハナちゃんは、うっとりしました。おっきくて、しゃべるうさぎ。
この日のために、ハナちゃんは、たくさん本を読んで学習してきたのです。
物語のなかでは、人間はみんな失敗します。欲張りすぎたり、言葉をまちがえたり。
お願いは、完璧に、言わなくてはなりません。

「幾つまで、いけますか」「えっ…」
巨大うさぎはいささか、はなじろみました。
「最近の若いもんは、こわいねえ…お願いはひとつだけだよ、一回限り」

それはなかなか、きびしい局面です。
ハナちゃんの頭に、色んな願いが、飛び交いました。
今週のロトは、いくらになっていたっけ…

「早くきめないと、妖術の時間が、すぎてしまうよ」
うさぎがせかしたので、ハナちゃんは、余計あせりました。
お城、お姫様、誰もがもうハナちゃんを無視できないほどの美貌…。

「さあっお嬢ちゃんの、心からの願いはなーんだ」
うさぎの目が、青く青くせまってきたとき、ハナちゃんの口から、思いもよらない言葉がとびだしました。

「オオカミになりたい!」






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== おはなし ==

ハナちゃん狼 その1

その日も、ハナちゃんにとっては、かわりばえしない、いつもの朝でした。
早めに登校すると、いつもさらに早く登校しているワタナベくんが、「ハーナコーハーナコー♪」コマーシャルの節で、からかっくることもいつもとおんなじ。
自分だって、勝三郎という古めかしい名前を気にして、みんなにKATくんなんて呼ばせてるくせに。
ハナちゃんは、KATくんの背中を、にらみつけてやりました。これも、いつものこと。

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ハナちゃんは、全然めだたない地味な子どもです。
いじめられたりもしないのですが、どこにいても、みんな、ハナちゃんが、見えていないようなのです。
ダンスでペアになるときも、いつもハナちゃんは、余ってしまいます。
カタオカさんが一人ですね、とイノウエ先生が言うと、みんな初めてハナちゃんに気がつくのです。

KATくんだって、かまうのは、朝、他の子がきていないときだけです。他の生徒がいると、やっぱりハナちゃんは、見えなくなるようなのです。
それは、先生だって、同じです。そのくせ、お手伝いが欲しい時だけ、担任のイノウエ先生はなぜかハナちゃんを思い出すらしいのです。
今日も、ハナちゃんは、放課後、もくもくとプリントのお手伝いをしていて、校門を出る、最後の生徒になってしまいました。

春の陽はまだ明るいけれど、風はちょっぴりさみしい、夕方の風でした。
でも、平気。
ハナちゃんがいなくても、おうちの人はどうせ、気がつかないんだから。
お姉ちゃんは自分のことで頭がいっぱいの、門限破りの15歳。
お母さんは、去年生まれた弟に、かかりきり。
お父さんは、隔週しか帰らない、タンシンフニンなのです。

ごはんに間に合えばだいじょうぶ。
モモイロ神社に寄って帰ろうかな。
最近、へんてこな屋台もでてるし。
ハナちゃんが、禁止の寄り道ロードをたどろうと曲がった角の電信柱に、人影がうずくまっていました。

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あたりには誰もいません。
ハナちゃんは、回れ右しかけました。
危険を感じたのです。
でも、ちらっと目をやると、その人の背中は、なんだか、苦しそうに、ピクピクしています。
ハナちゃんは、ちょっとだけ、近づいてみました。
かすかに、ハアハアいう息遣いも、きこえます。
丸めた背中は、おばあちゃんを、思いださせました。

「おばさん、どうしたんですか」
それで、ハナちゃんは、つい声をかけてしまいました。





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== おしらせ ==

おはなし森・DM


近づいてまいりました。おはなし森作品展。
桃源郷さんが、こんなにかわいく、DMを作ってくださったわ。うれしいです。ありがとうございます。大好きな雰囲気です。
初日は桃源郷さんに、うさこもおりますので、皆様にお目にかかれますことを、楽しみにいたしております。…て書いたら、誰もきてくれなくなったりしそう…

今週後半は、おはなし森最後のおはなしを、アップいたします。
地味でめだたない、欲求不満の小学生のおはなし。なのか。

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== つくったもの ==

うさこだけ春爛漫

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うさこだけ美少女なんて。許せない。
まもちゃんもっ。
確かこの本のなかの、呪文をとなえていたのだ。
うまくいったら、ぶたも、美少女にしてあげるからね。ええいっ。

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でもそれは、罠だったのです。
ふっふっふ。ひっかかったわね。
美少女は美少女でも、それは、美少女メイドになっちゃう呪文なのさ。


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結局いつもよりもっとこき使われる、まもちゃんでした。
そして、ぶたは、とっくに、逃げ出しておりました。
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== つくったもの ==

うさこの週末 春爛漫

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…ていうには、冷たすぎる雨の、土曜日。
五月はさ、京都まで、森のこどもたちを売りにいこうとしているのにさ。
この冬が寒かったせいか、ちっちゃーいこどもばっかり育っちゃった。おまけに、お洋服も地味だわ…
そこで、ロマンチックな桃源郷さんのムゥゥドにあわせるため、ええいっ★
美少女うさこだああ。
…このイカサマ妖術のありさまを、ドアのうしろで、じっとみているまもちゃんであった…つづく
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== おはなし ==

めりとりり その3

気がつくと、水のない場所にたおれていました。
土の上、覆いかぶさるたくさんの木々。
雨に湿った、葉っぱのにおい。
水のなかにいた記憶はぼんやりあるのですが、自分がだれなのか、思いだせません。
ふらつきながら立ち上がろうとすると、木のうしろに、誰かいるのが、みえました。
ちいさな、こども。
ひとりではありません。
何人ものこどもが、木のかげからでてきました。

わ…ぶただ…
こぶただわ…
ぶただ…

こどもたちのささやき。では、わたしは、ぶたという名前なのかしら。

こどもたちは、しだいに近づいてきて、口々に言いました。
うさこにみつかったら、たいへん。
そんな顔してたら、すぐ、ハムにされちゃうよ。
気の毒だけど、お顔がネガティブすぎ…
運気がさがる…
運気がさがる…

ひとりのこどもが、小さな鏡を渡してくれました。

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この間まで、おんなのこだったような記憶があるのですが、今、鏡に映るのは。
確かに、ぶたでした。
幸せになる契約をしたような記憶もあるのですが。幸せとはほど遠い、ぶちゃいくなぶたの顔でした。

こどもたちは、気の毒そうに言いました。
「あたしたち、ごはんもらいにうさこんちにいくけど、あなたは、きてはだめ。
できるだけ、うさこから、隠れていないと。
つかまったらハムにされちゃうわ」

子どもたちだって、たいしてかわいい子はいません、奇妙な子ばかり。まるきりカエルみたいな顔の子もいるし。
そんな子たちからまで、気の毒がられてしまいました。

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「この森は、広くないけど、隠れ場所はたくさんあるから、がんばってにげてねぇ」
奇妙なこどもたちの声援を背に、ぶちゃいくなぶたは、森のなかを、走りだしました。
何が待ってるのか知らないけれど、ハムにされてたまるもんか。
逃げて逃げて、逃げ続けてやる。

女の子のときはいつもおうちでひとり、じっとしていなくてはならず、水のなかでもじっとしていたんだっけ。こんなに走ったことは、生まれてから、あったでしょうか。
こんな姿にされちゃったけど、この森は危険もいっぱいらしいけど、そして、あいかわらずひとりぼっちだけど。
ぶたは今、これが幸せの一歩かもと、湧き上がるように感じながら、森の中を、ひたすら走ってゆきました。

     2012.4.1脱稿



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おかあさんおげんきですか、そのごおともだちできました…こぶた
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== おはなし ==

めりとりり その2

お祈りをしているりりの頭上に、金色の光がさしてきました。
光はゆっくりとたゆたいながら、水の底まで、おりてきました。

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光の中心に、ベールをかぶった女の人が、いました。

「わたしをよびましたね」
女の人は、言いました。
甘い味がするみたいな声。やっぱり、あの絵の人なんだわ。
おかあさんの家にいたころは、一度だって願いがかなえられたことはありませんでしたが。
今、はじめて、りりのお祈りが、届いたのでしょうか。

「あなたの願いは、わかっていますよ」
女の人は、いいました。
「でも、それは、無理なのです。
失ったものはもう、呼び戻さないほうがよいのです。
めりも、おかあさんも、もう、このステージに、いないのですから。
本当に幸せになりたいなら、あなたは、新しい幸せをさがす勇気をもたねばなりません」

りりには、幸せというものが、よくわかりませんでした。
めりとの水の底の暮らしは、幸せだったような気もしますが、本当は、ぜんぜん幸せなんかではなかったのかもしれません。
でも、女の人に
「幸せを願いますか?」
ときかれたとき、それを今までずっとさがしてきたのかもしれないと、ふっと思ったのです。
りりがうなずくと、女の人は、さらに
「そのために、どんな姿でも、努力しますか?」とたずねました。
「いたします」
りりが答えると、女の人は、にんまりわらいました。
なんて青い目でしょう…あれ、それに、長いお耳が。
ベールでかくしていますが、ぴんっとたった耳が、はっきりみえました。
あの、絵の人なんかではありませんでした。
ていうか、女の人でさえないのでは…

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「私が誰でもどうだって、いいことでしょ。契約成立したんだから。さあっ水から出て生きられる、新しい体をあげるからね。せいぜい幸せを、さがしなさい」

りりの目にその、耳のぴんっとした生き物の目が青く青く、ぐんと迫ってきました。
りりは、すぅっと、気が遠くなりました。

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== おはなし ==

めりとりり その1

いつからここにいるのか、もう、思い出せないのです。
気がつくと、りりは、水の底にいました。
おかあさんが、りりをここに、投げ入れたのです。
その記憶は、夢のようにぼんやりしています。
それから、ずいぶんときが流れたような、つい昨日のことのような、水の底では、時間は地上と違う流れかたをしているのでした。
おかあさんが、もう、りりを迎えにこないことはわかりました。
でも、おかあさんを、悪くなんて思いません。
一番いいドレスを着せてくれましたし、一番のおともだち、めりも、一緒に水に、入れてくれたのですもの。

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いいことだって、ありました。
地上にいたころは、おかあさんが何日も帰ってこないと、とてもおなかがすきました。
でも、ここにきてからは、りりはおなかがすかなくなりました。
ひとりぼっちでお留守番をしなくてはならないとき、寒くてたまらないことも以前はよくありましたが、水の底は、寒さもないのです。

めりがいてくれれば、さみしいことも、ありません。
地上では何にもしゃべらないめりでしたが、ここにきてからは、りりが話しかけると、お返事もしてくれます。
不思議な事に、初めて聞くめりの声は、りりとおんなじ声でした。

「おかあさんは、りりをきらいになったんじゃないよね」
「そうよ、きらいだからじゃないわ」
めりがそう返事してくれると、りりは安心するのです。
そうです、おかあさんは悪くない、仕方なかったんだわ。
おかあさんだって、新しいおとうさんと、幸せになりたかったのですもの。
それには、りりがいてはいけなかったのです。

りりとめりは、貝殻や海藻、死んだおさかなを集めて、おままごとをします。
そうして、ふたり同じ声でしゃべっていると、りりはだんだん、どっちがめりでりりなのか、わからなくなる時があります。自分のほうがめりのような気がしてくるのです。

たぶん長い長い時が、流れたのです。
穏やかな水の暮らしでしたが、めりは、粘土のお人形。
少しづつ、水に溶けだしてきたのです。
めりがすっかりなくなったら、本当のひとりぼっちになってしまう!

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「どうすればいいの」
りりがすがるようにたずねると、めりは、ほとんど溶けてなくなろうとしているくちびるを、わずかに動かしました。
そのとき、お魚の大きな群れが、りりの頭の上を、さあっと通過しました。
その波で、ぼろぼろになっていためりは、最後のかけらまでこなごなに、崩れて、溶けてしまいました。

りりは、初めて泣きました。
地上のうちにいたときだって、おかあさんがいやがるから、りりは泣いたことがなかったのです。
泣きながら、お祈りをしました。
めりが最後につぶやいた言葉が、、お祈りって聞こえたからです。
水の中にきてからは、望むことがなくなったので、お祈りすることをすっかり忘れていました。

おうちの壁にかかっていた、百合に囲まれた優しそうな女の人の絵を、一生懸命思いだしながら、りりはお祈りをしました。



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== おしらせ ==

五月の作品展

「おはなし森」

というタイトルで、ままごと森のあき地にふってきた、いくつかのお話に登場するおにんぎょたちの、展示と販売を、させていただきます。(もうしわけありません、一部、非買品もあります。あの子はどうなのとか、もしも気になるかたは、どうかお問い合わせください。今回ちいさい子をたくさん出します。)
場所は、
桃源郷さんです。

5月3日~11日

☆ 地下鉄烏丸五条駅から徒歩3分 ☆
☆ 阪急烏丸駅から徒歩10分 ☆
☆ 京阪清水五条駅から徒歩10分 ☆  
 
〒600-8191
京都市下京区五条通高倉角堺町21
jimukinoueda bldg. 302
TEL&FAX:(075)341-5626
 
 
営業時間:14:00~19:00
お休みは、水と日です。


ままごと森はちっさーいですが、桃源郷さんのお店は広くて、すてきなものたちが、たくさんならんでいて、お買い物も充分楽しんでいただけます。どうぞお遊びにいらしてくださいませ。
DMは、目下、桃源郷さんが製作してくださってますが、もしご希望のかたは、うさこまで、おしらせください。
   mamagotomori★yahoo.co.jp  ★を@にかえてメールを送信してくださいne。
┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 11:39:48 ━ Page top ━…‥・

== アーカイブ ==

うさこの日曜日

あいもかわらぬこっそりひっそりブログですが。
この週末、なぜか異例のアクセス数。もしや、おはなしをまっていてくださったかたがいた?ってそんなはずはないですが、一瞬うれしく 妄想してしまった。
次のおはなしは、もう拾ってあります
けして、お紅茶ばかり喫してさぼっていたわけではありませんのだ。
ちょっと事情があり、来週末に、ご披露させていただきます。ぺこり。
ますますへんてこなので、ますますアクセスが、消滅するかもなおはなしです。


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ちょっと前に作りました、まもちゃんの身分証明ブローチ。これつけてる人は、人間にばけていても、実はまもちゃんです。
さがしてみてね。
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