== おはなし ==

ままごと森の憂鬱 第一章

あれっ。
サクラちゃんが、首をかしげています。
おいしくなーい。
ままごと森で、ごはんがおいしくないなんて。
サクラちゃんは、お台所をのぞいてみました。
はあっ…
テーブルの前で、うさこがため息をついています。
「お塩かしてよ」
うさこが、ちょっとサクラちゃんを、見ました。
「それからコショウと、お醤油もかしてよ」
え…?
「うさこさん、はっきり言って、料理に味が、ぜんぜん、ついてないっ」
「そう…」
うさこは、また、はああっとため息をつきました。
そう…って、それだけかい。
どうしちゃったの?

6月なのよ…梅雨なのよ…

サクラちゃんには、ままごと森にきて、初めての梅雨です。
雨はめんどうくさいけど、濡れた森はいい香りがして、嫌いじゃないけどな。

「梅雨になるとね、出るのよ、あれが…」
うさこ、三度目の、はああっ。
この時期、ままごと森の台所には、あれが、でるのです。
ちっちゃくて、すばやくて、夜になるとこそこそっと出てきて、食べ物をあさる。
うさこが一番、嫌いなもの。
そうです。アマノジャクです。

アマノジャク
特徴
一本ないし、二本の触覚がある。
おぞましくもケバい色と模様。
そして、ピカッとかして、ものすごく、気持ちわるいー。

hoihoi1.jpg

殺虫剤なんか、効きません。
梅雨があけるまで、がまんするしかないんだけど、憂鬱で憂鬱で、わたし、なんにも手につかないの…

仕方ないなあ。
サクラちゃんは、お靴をはきかえました。うんとたくさん、歩ける靴。
森のはずれに、雑貨店があるから、行ってみよう。

ままごと森の雑貨店は、しかしなかなか遠いのです。森は小さいのに、その雑貨店にいこうとすると、必ず道に迷うし、歩きつかれて泣きたくなって、夕暮れになったとき、忽然と、カナリア雑貨店の前に、立っているのです。
だから、行くのは大変なんだけど。
うさこのとりえなんて、ごはんだけなのに、このままでは、あたしが困ってしまうからさ。

サクラちゃんはいっしょうけんめい歩き、くたびれ、そして、日が落ちて泣きたくなったころ、カナリア雑貨店の階段の下に、立っていました。

kanaria1.jpg

そこで、アマノジャクのことを尋ねると、カナリアさんは、梅雨が終わったらいなくなるんだから、ほっときなさーい、と言って相手にしてくれなかったのですが。
買い物にきていた親切なおばさんが、薦めてくれました。

アマノジャクホイホイ。

こんなの買わなくていいのに、という目つきで、それでもカナリアさんが、袋にいれてくれたので、サクラちゃんは、うさこの家に、帰りました。
帰りはなぜか普通に帰れるので、あっというまです。

「ほらあ、今はこんな便利なのがあるんだよ」

サクラちゃんの気持ちはうれしいけれど、うさこは、何か、いやあな気持ちがしました。
説明書に書いてあるように、ホイホイにしかけるごちそうを作ったあとで、それがなんだか気がつきました。

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== Comment ==

(゜Д ゜)アラヤダ、なんか見覚えのあるフクロウ…

それにしても、こんなに小さくて本物ソックリの●ンチョ-●?スゴイわあ
Re: タイトルなし
食玩なのです。昔の食玩は、すばらしかった…





        
 

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