== おはなし ==

ゆきなちゃんとうさぎのたまご その1

ある時、よるのうさこがお買い物から帰ってみると、うさこのベッドで、おんなのこが眠っていました。
「ゴールディロックスだああ」
うさこは叫びました。
「文句たれのわがままな女の子だあ!」

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まもちゃんは、冷静に観察しました。
「違うよ、うしゃこ。この子は、金髪じゃないもん」
「バカだねあんた、だまされたらいけないよ。髪なんか、染めてごまかしてるんだよ。きっとまもちゃんのおかゆも、食べられちゃってるんだから」

でも、台所の食べ物は、なんにもなくなっていませんでした。
まもちゃんは、おんなのこを、そっと、ゆすって起こしました。
おんなのこは気持ちよさそうに、ふわあとあくびをして、目をあけると、まもちゃんの顔をみて、にこっと笑いました。

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「もしもし、あなたは誰ですか?」
「あたし、ゆきなちゃん」
「どこからきたの?
「みずの坂をくだってきたの。ままごと森に、きてみたかったんだあ。
  はいっこれ、おみやげ、   
      みずの坂名物かえるまんじゅう」
まもちゃんの顔がさぁっと青ざめたことには、誰も気がつきませんでした。
だってかえるの顔は、もともとみどりですから。

うさこは、忙しそうに、夕飯のしたくにとりかかりました。
「ちょっと畑へ行ってくるからね。ごはんのしたく、そのこにも手伝わせて、やっておくのよ」

それで、まもちゃんは、お鍋をのぞいたり、食器を並べたりしだしたのですが。
あらあら、ゆきなちゃんたら。
あったかいオーブンの前で丸くなって、またすやすやと、眠ってしまいましたよ。


畑から帰ったうさこが、オーブンをあけようとして、あやうくゆきなちゃんをふんずけそうになりました。
「もうー、この子ったら。」
ゆすり起こしてテーブルの前にすわらせたのですが。
「さあさあごはんにしましょうね」
うさこが言った時には、食卓にもたれて、ゆきなちゃんはもう、眠っていました。

その日から、うさこの家のあらゆる所で、ゆきなちゃんが眠りこけているので、うさこは何度もつまずいたり、ふんずけそうになりました。
畑にお使いに行かせれば、バスケットの中でくうくう眠っているゆきなちゃんが、道端で発見されるのでした。

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ゆきなちゃんは文句たれでもわがままでもありません、むしろ、とてもいい子でしたが、うさこは困ってしまいました。
そしてある日とうとう、まもちゃんに、言いました。

この子、そのへんのドアに放りこんじゃいなさいーっ
ねてばっかりいて、なんの役にもたたないわ。

まもちゃんは、ゆきなちゃんに、尋ねてみました。
「ゆきなちゃん、なにかできること、ないの?
                    得意技。」
ゆきなちゃんは、無邪気に笑いました。
「えー。できることって、あたし、たまごが出せるんだけど…そんなの誰でもできることよね」
うさこは、鼻で笑いました。
「たまごなんて、カナリア雑貨店に行けば、198円で買えるじゃない。サービスデイなら、98円!」
「そっかー」
ゆきなちゃんは、にこにこしています。
「あたしのは、うさぎのたまごなんだけど、そんなのつまんないよね。得意なことがなんにもなくって、ごめんなさい」


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