== おはなし ==

ハナちゃん狼 その4

ハナちゃんは、給食がはじまる直前に、学校を抜け出しました。
いくら目立たないと言っても、そんなことをしたのは初めてです。だけど、一刻も早くあのうさぎを見つけないと!
全速力で走ったので息がはあはあしました。やっぱり体は弱っちいもとのまんまだわ。
でも嗅覚は、狼になっているので、うさぎの臭いをすぐに嗅ぎ分けられます。

うさぎは、モモイロ神社にいました。ブランコをこぎながら、のんきに歌なんか歌っています。
「あーらまあ」
うさぎはハナちゃんをみると、満足げに言いました。
「いい出来上出来。近年まれなる傑作。ハナちゃんかぁっこいいよ」

「こんなのインチキじゃないですか」
ハナちゃんが詰め寄ると、うさぎはじっと目をのぞきこんで言うのです。
「お嬢ちゃんのほんとのほんとの望みを、奥まで察してかなえてあげました」
ハナちゃんはあっと思いました。確かにあの瞬間、ちらっと思ったのです。

狼になっちゃったら、新しいワンピース着れなくなるかなって。

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「ほーらね」うさぎはにまにま笑っています。
「あんた気にいったからね、オプションつけたげました。かっこよく狼になって、かわいいお洋服も、着られます」
「でもでも、こんなの、中途半端すぎ!せっかく変身しても、なんにも変わらないじゃないですか」
ハナちゃんは、懸命にくいさがりました。

「なんで人間は、感謝がないんだろ」
うさぎは、ぶつくさ言いました。
「じゃあまあ、春一番だから、さらにさらに特別サービス。あなたの疑問に答えましょう」
うさぎは、ハナちゃんにメガネを渡しました。
「真実の姿がみえるメガネ。ちょっとだけ、レンタルね」

ハナちゃんは、また走って学校に戻りました。給食の時居なかったのなんて、やっぱり誰も気がついてないみたいでした。
ハナちゃんはうさぎの眼鏡をかけました。

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