== おはなし ==

避暑地のできごと その1

今日も快晴。
青い青いお空をみあげて、ゆきなちゃんは、ふわぁとあくびをしました。
ここは憧れのイソパラ高原。
小さなコテージで、毎日お気に入りの白いお洋服を着て、なんてすてきな夏休み。
午後には、涼風にふかれながら、長い長いお昼寝です。
せっかく高原に来ているのに、眠ってばかりではもったいない気がしますが、なにせ、ゆきなちゃんは、夢見の達人。
超人気アイドルグループ、「ワラシ」の松ちゅんDXにストーキングされる夢だって、軽くみられるのです。別にファンじゃないけど。松ちゅんはなかなかひつこくて、この夢はシリーズでみているのです。

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けれども、今年の夏、ゆきなちゃんには、夢よりもっといいことが、おきました。
ボーイフレンドができたのです。
彼は、パライソ高原に一軒だけある映画館の息子なんです。
ああもう、この高原ったら、夢みたいにすてき!

彼の名前はルゥク。
松ちゅんよりも深く澄んだ瞳で、ゆきなちゃんにたずねます。

ねえきみ、きみはどこからきたの?
いつまでここにいられるの?

あら…
ゆきなちゃんは答えようとして、はたとつまりました。
…わたし、どこからきたんだっけ…
なぜだか思い出せないのです。いつからここにいるのかも。

ルゥク少年は、ふっと笑いました。

ゆきなさんのそういう神秘的なところが、好きなんだ。
それにほら、午後は、いつもふっといなくなっちゃうし。ああ、きみは、なんて不思議なおんなのこなの。
きみの髪の一本いっぽんが、ぼくの水平線なんだ。

なんて甘いささやき。
ゆきなちゃんはうっとりします。
ルゥクったら、詩人なのね。意味はよくわからないけど…とにかくすてき。


午後は眠りこけてるだけなんだけどね…でも、まあ、彼がいいって言うならOKなんだわ。

というわけで、ゆきなちゃんは高原で、夢のようなヴァカンスを送っていたのですが。

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