== おはなし ==

避暑地のできごと その3

これって夢かな…きっと夢だよね…

ゆきなちゃんがスタンドの灯りをつけると。
あれ、あんなところに、ドアが…
びっくりしているゆきなちゃんの前で、壁に出現した扉が(すごく小さい)、ゆっくりと開いたのです。

そこにいたのは。

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ゆきなちゃんでした。

確かにわたしだわ、でもでもでも、真っ黒いお洋服。わたしは、真っ白いお洋服しか着ないのよ。
いったいあなたは誰。

「うしゃこー迎えにきたよー」
黒いゆきなちゃんのすそに、よくみると、まえかけをかけたちっぽけなカエルがぶらさがっているではありませんか。
そしてそのカエルが言うのです。
「うさこ、もう帰ってきてくれないと、ままごと森の畑が荒れ放題」

「そうそう、秋の実りのために、そろそろ帰ってお仕事してくださいねえ」
黒いゆきなちゃんもにこにこ笑って言いました。

わたしはゆきなちゃんよ、このすてきな高原で、ルゥクと幸せにすごしているのよ。
そんな名前は知らないわ。

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「やだなあ、うさこさん、しっかりしてくださーい」
黒いゆきなちゃんは、くふふと笑いました。

「髪の毛さらっさらのスリムな乙女になって、高原で避暑したいっていうから、あたしの夢分身をレンタルしてあげたんじゃないですかあ。むちゃな話だけど」

黒いゆきなちゃんは、足元のヌイグルミをだきあげました。
白と黒の、犬のヌイグルミ。
「そっかあ、ルークもあの時、夢分身にくっついていっちゃったんだあ。お前はうさこさんの夢の中で、どんな役だったの?あとでゆっくり、きかせてねえ。」

足元ではちっぽけなカエルが、一生懸命、手をさしのべ、鏡をさしだしています。

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鏡をのぞくとそこに映っているのは、ピンっとたったながあいお耳、一面に毛のはえたお顔。
うさぎ。

「よっぽど楽しい夢だったの?でもうさこさん、もう夢分身、返してくださいね。夢につかりすぎたら、だんだん自分の場所がわからなくなって、最後はエクトプラズムだけになって、夢のリンボを、さまようことになってしまうわ。永遠に。
だからまもちゃんが心配して、おむかえにきましたよ。
さあ、あたしもルークも、うさこさんも、おうちに帰っていつもの暮らしにもどらなきゃあ」

まもちゃんうさこさん、さようなら。
黒いゆきなちゃんは、がらがらヌイグルミをひっぱりながら、ドアのむこうへ消えて行きました。

20120829b.jpg

夏休みは、終わったのです。

明日から、9月が始まるのです。

          THE END★





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