== おはなし ==

ゆき白姫と6匹のコグマその他… その3

姉妹の行く手に、小さな小屋が現れました。
姉妹が暮らしていた小屋よりさらに小さい、貧しい小屋でしたが、煙突からは煙があがり、暮れなずむ森の中に、小さな窓から、オレンジ色の暖かい灯りさえ、こぼれているのです。
小屋の中からは、なんだか、楽しそうな歌声も、きこえていました。
歩き疲れた姉妹は、思わずかけよりました。


ゆき白ちゃんは、ノックもせず、いきなりドアをあけました。
その姿は堂々と、生まれながらのお姫様の威厳に満ちていました。

小屋の中にいたものたちは、びっくりして、歌をやめました。
そして、突如、出現した二人のおんなのこを、ぎょっとした顔で、みつめました。
ばらべにちゃんも、眼を丸くして彼らをみかえしました。
ゆき白姫だけは、冷静でした。だって、森をさまようお姫さまの前には7人の小人が出てくるのがお約束。

しかし、そこにいたのは小人ならぬ、7匹の小熊だったのです。
小熊たちは、先ほどまでの楽しげな様子はどこへやら、しゅんとなって、下を向きました。
ああ…とうとう、意地悪なおんなのこたちに、みつかってしまった…。

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「みいつけたあ」ゆき白ちゃんが叫びました。
「こんなとこにいたのね、ミミーにミリーに、ミッシー!」
ばらべにちゃんも、思わず、声をあげました。
「それに、シシーに、サリーに、セルマ!」
小屋にいたのは、姉妹が子どものころ遊んだ(そして飽きてすててしまった)ぬいぐるみの熊たちだったのでした。

ほらねほらね。
ゆき白ちゃんが得意げに、笑いました。
こいつらったら、こんなところに隠れていたのね。これで住む所と家来たちも、ちゃあんとできたわ。
お父さんはヤバい熊だったけど、こんなちびすけ熊たちなら、わけなく圧制できてしまいます。

それから、姉妹は、小熊たちのどの子を自分の家来にするかで、ちょっともめました。
なんとか話がついて、3匹ずつ、公平にわけたあと。

一匹、あまる…。
こんな子、うちにいたかしら。

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よくよく見れば、それは小さいぶたでした。
わ…ぶっちゃいく…

姉妹がつぶやくと、他の熊たちは気まずそうに、顔をみあわせました。
みんな、そのことは、これまで口に出さないよう気を使ってきたのに。
しかし、色々苦難をのりこえてきて、姉妹は、もう慎み深いおんなのこではなくなっていました。
こんなみにくいぶた、いらないっ。
片方が叫ぶと、
あたしだって、いらないわっ
あんたが面倒みなさいよっ
運気がさがるわ、あんなのもってたらっ

そして、姉妹は、ぶちゃぃくコブタのおしつけあいをはじめたのです。

姉妹の醜いいさかいを後ろにして、コブタは静かに、小屋を出ました。
お外は満天の星空です。
きぃんと冷たい、11月も終わりの夜空を、コブタはみあげました。
こんなこと、いつものことで、全然、へっちゃら。
ちっとも悲しくなんかありません。
お星様の光は、かわいい子もぶちゃいくなものも、平等に優しく見守ってくださっているのです。
だから、ほんと、ぜーんぜん、平気。
コブタの眼から、光るものがちょっぴり落ちたとしても、それはあんまり夜空がきれいすぎて、涙がにじんだだけのことでした。


     おしまい

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ワタシ、ガンバッテマスシ…
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