== おはなし ==

まもちゃんと星影荘の魔女 その4

「まもちゃんは一番いい夜にきたのよ」
ステラさんが言いました。その夜は、流星群が見られる夜だったのです。
高い塔のてっぺんからはやっぱり星は手にとれそうに近く、次々と流れては消える星の群れに自分が浮かんでいるように感じられるのでした。
まもちゃんは時間を忘れて星たちをみていました。

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まだ生まれない太陽のピンクに、青みをましてゆく空の水色がまざりあう不思議な色の夜明け前、まもちゃんは、はっと夢からさめた気持ちになりました。
星は一個も、とれなかったんだ。
でも、うさこだって、さっきの流れ星をみたら、取りたいなんて言わなくなるんじやないかなあ。

「そうそう、星は空にあるのが一番。あのコウサギには、それがまだわからないのよ。」
えっ、うさこは2千歳くらいなはず。
「あたしはその倍は生きてるよ。2千歳なーんて、ほんのコウサギ」

そう言って笑っているステラさんは、かわいいおんなのこにしかみえないのでした。

でもでも、うさこの病気はどうしよう。
「ホシイホシイ病なんて、これで簡単になおるわ」
ステラさんは、びんをくれました。
魔女が飼っている特別の蜂が集めてくる、魔法のハチミツでした。
「それにね、うさこがほんとにほしいのは、星なんかじゃないんだしね」

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「また、星をみにきてもいい?うさこもつれて」
「うーん、なんかねえ、恐ろしい魔女なんて評判たてられて嫌気がさしちゃったからさ。わたし、遠くへいくことにきめたの」
「えっ」
そのとたん目の前がぐらっとして、気がつくとまもちゃんは、なんにもない野原に立っていました。
やわらかい糸でできた小さな赤い塔が、足元にころがっていました。

まもちゃんは、その塔をひろいました。そして大切にポケットにおさめました。
もう片方には、ハチミツのびんが。

塔もステラさんもいなくなってしまったのは残念ですが、まもちゃんは、ままごと森の小さい木からみあげる星空も、大好きでした。自分がうんとちっぽけだなあって思えるあの感覚が、好きでした。


早く帰って、うさこにハチミツを食べさせて、ホシイホシイ病をなおしたら、みんなで楽しいクリスマスをむかえようっと。
でも、ちょっと、ミドリうさこのツリー、かざってみたかったかな。

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小さいまもちゃんは、小さいままごと森にむかって、小さく走り出しました。

   おしまい






付記…このおはなしは、赤い塔を作ってくださったSET館長さん、小さな木をくださった柚風のshiro♪さん、おいしいハチミツをくださるメゾンドステラさんそれから新しいおともだち、海をへだてて古いモノを送ってくださるwさんのおかげで、思いつきました。
そして、早くからクリスマス気分を盛り上げてくださった、眠れるゆきなちゃん。みなさん、ありがとうございました。
すばらしいクリスマスをお迎えください★
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== Comment ==

No title
お話に作品を使ってくださってありがとうございました。お話が素敵なだけに、塔のほうももう少し何とか作れたのではないかと、作者はいささか恥じ入っております(^_^;)

でもお話に入れていただいたのはなにより嬉しいです。ステラさんもご登場。きっと素敵なかたなのだなあと感じました。

みなさま、よいクリスマスを!
いたみいります。
いつもすばらしい作品の数々を生み出される館長さまがそのような。赤い塔はイマジネィションの宝庫でした。
ステラさんもまた、二人といないであろう、ゴージャスな女性です。おにんぎょどものおかげで、普通なら知り合えないようなみなさまとお近づきにさせていただき、たなからダイアモンドなうさこです。館長さんにもいつかきっと、おめにかかって、いはなしに出演していただきたいと、妄想しております。





        
 

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