== おはなし ==

パレードに雨をふらせないで その3

人形劇が終わると、イナホ君は、着ぐるみリスに近寄って、赤い硬貨をふたつ手渡した。リスは黙って受け取り、ひきかえに台に置いてある駄菓子を一個、くれた。
これで一週間、イナホ君はここに通っているのだが、リスが言葉を発するのを聞いたことがない。中にはいったいどんな人が、入っているのかしら。

ホシムラ大劇場の人形たちは、みんな、手のひらくらいもない。ちっさい。
よくよくみると、かわいいかどうかも微妙だし、ふるぼけている。
どうせなんかしょぼい仕掛けで動かしているのだろうけれど、じっとみていると、人形が自分で動いてしゃべっているかのように見えてくる。
イナホ君は、いくら見ても見あきない。


TS3R1575.jpg


芝居が終わった舞台を、イナホ君は、未練がましく、ふりかえった。
リスはさっさと、緞帳をしめて、屋台を片付けかけていた。

なんだろう、この、屋台の前に立つたびこみあげる懐かしさみたいな感情は。
このまま、ホシムラさんに、くっついって、どこかへいってしまいたいなあ。
したくもないオベンキョウをさせられるのはもう、いやなんだ、イナホくんはため息をついた。


             …明日もつづきます






ぽち!(まもちゃんより)
おお、夏がおわっても、まっかに燃えるまもちゃん★うさこより

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 14:41:40 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://mamagotomori.blog44.fc2.com/tb.php/580-9fe41e0d
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next