== おはなし ==

黄昏アパートメント  その後の2階のアトリエ

こんな怪しい店子は、即刻でていってもらわねばっ。
アタマにきたうさこが、階段を駆け下り、2階のドアをあけると、お針子嬢は今日もちくちくと縫物にはげんでいます。みたところは実におとなしげな娘さんなのです。
おまけに、こんな甘いささやきを。

「あら、大家さん、まいどありがとうございます。今日はなにがいいですか、大家さんには爆安にさせていただくわ」

爆安…うさこはふらふらと、眼についたクッションを手にとってしまいました
色んな布をはぎあわせて、刺繍がたくさんしてあって、小さなかわいいクッションです。おまけに、爆安なんだから。

その夜、うさこは、おそるおそる、クッションに頭をのせてみました。何事もおこりません。ふかふかと、いい塩梅です。それに、とってもいい香り。この香りは…。
うさこはたちまち眠りにおちました。

鼻先が冷たくなって、うさこは眼をさましました。手さぐりでランプをつけました。なにかがパチンと、うさこの顔にあたってはじけました。
クッションのいい香りは、石鹸のにおいだったのです。
そういえば、模様のなかに、シャボン玉をふいている女の子の絵があったっけ。

クッションのおんなのこは、次々とシャボン玉をふきつづけ、うさこの部屋は、朝までにせっけんの泡だらけになってしまいました。

今度こそ、文句を言って、お針子さんには立ち退いてもらうわ。
うさこが2階のアトリエを訪れると、お針子さんは、にっこり笑って言うのでした。

「大家さんにぴったりのものがありますよ。今日入荷したの。今までのおわびに、無料、ただですよ、ただ」
ただ。これまでで一番すてきなひびき。

お針子さんがほほ笑みながら持ち出してきたもの、それは、なんともうさこごのみの、毛皮の帽子ではありませんか。
またしても、うさこはふらふらと手にとってしまうのでした。
うっとりするような毛皮の手触り。うさこが見入っていると、帽子についている二つのボタンが、ギラっと光りました。
その下には、真っ赤なお口が裂けて、帽子は確かに、うさこを見てにんまりと、笑ったのでした。
よるのうさこはきゃっとさけんで逃げ出しました。
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うさこが屋根裏に鍵をかけて閉じこもってしまったので、まもちゃんは2階に行ってみました。
お針子さんが、笑いながら、ドアをあけてくれました。

「あなた、赤い塔にいた、ステラさんだよね(髪の色がちがうけどさ)」
http://mamagotomori.blog44.fc2.com/blog-entry-472.html
「まもちゃん、やっと私ってわかったのね
欲ふか大家さんは、ちょっぴりこらしめといてあげたわ」
偉大なる魔女ステラは、得意そうに、お鼻をピクピクさせました。
「これからはお家賃、うんとさげてもらわなくっちゃね!」

 おしまい



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魔女ステラのいたずらのおかげで、夏休みももらえなかったまもちゃんが、やっと、旅行なんか行けます。
女王さまにあいにいくんですとさ!いまごろは飛行機のなかです。


※このおはなしのおにんぎょたちは、西天満カナリヤさんでの、三人展に行きます。11月18日からです。
DMご希望のかたは、mamagotomoriあっとまぁくyahoo.co.jpかコメント欄でおしえてね。
23日祝日も、お店は開いています。23はステラさんのガマ口講習会もありますよ。
http://alister258.blog106.fc2.com/blog-entry-400.htm

詳しくはカナリヤさんまで。
http://kanariyano.exblog.jp/20887116/



ここ↓をぽちぽちぽちぽちっ(まもちゃんより)
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