== おはなし ==

黄昏アパートメント盛衰記 その3

そのころ、アパートでは。
あったかいシチュウをたらふくたいらげたよるのうさこが。

まもちゃんちょっとかわいそうだったかな、という浅薄なホトケゴコロを起こしておりました。
シチュゥはすっかりなくなっちゃったけど、お正月の残りの、ひからびたお餅とか、まだあるし。

うさこ大家さんは、食後のお散歩がてら、まもちゃんをさがしに、森へ歩いていくことにしました。ゲップ。

ぶらぶら歩いていくと、おや、道にぽつんと、なにか光るものが落ちています。うさこが拾い上げると、それは小さなジャムの瓶でした。
あれれ、瓶からなにか音がする。うさこは瓶を、お耳にあてました。
楽しそうな音楽!

うさこはジャム瓶の中を覗きました。
何度も眼をこすって、覗いてみました。


DSC01100d.jpg
瓶の中に、まもちゃんがいます。
アコーディオンをひいている女の子もいます。

まもちゃん!
うさこは驚いて、呼んだんだけど、瓶の中には、届かないようでした。

うさこは、えいっと蓋をねじりましましたが、びくともしません。
うさこは、瓶を、ゆすったり叩いたりしてみました。
ええい、壊してしまえっと、かたわらの木の幹に、ぶつけてみたりもしたんだけど、だめ、。

瓶のなかは、まるで別世界。
おいしそうなお菓子やおもちゃがたくさんあって、その真ん中で、女の子とまもちゃんは、楽しそうに歌ったり踊ったりしています。

どうしても、この中に入りたい!

この瓶くらいちっさぁくなったら入れるかしら?

うさこは妖術で、えいっと、小さくなりました。

でもだめ。

うさこにはどうやっても、入れません。

小さな瓶の中でいつまでも続く、楽しげな音楽会を、よるのうさこは、ガラス越しに、じっとじっと、眺めていることしか、できないのでした。
   おしまい
   




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