== おはなし ==

おはなしの箱  三匹のペンションぶた  その1

ある時、わたしは、ふたたびあの森へ。
畑から人形が生えるというあの森以上に、興味をそそるレポートのテーマが、みつからなかったのだ。
しかも、畑を育てているカエルを、目撃したというネット情報もある。いくらなんでも、これはデマであろうが。ましてや、そのカエルが、エプロンまでしていたというにおよんでは!
しかしますます、好奇心が、いや学究心が煽られたのも、確かなんである。

宿泊場所は、あの、がめつい下宿しかない。わたしは、おさいふをにぎりしめ、わらぶき小屋に近づいた。

小屋は前よりさらにみすぼらしく、藁屋根は、安物のかつらよろしく、ずれながら小屋にのっかっていた。
一匹のぶたが、小屋の前を、かいがいしくほうきで、はいていた。
この前のおばはんぶたじゃなく、わたしくらいな歳の、若いぶただ。

DSC01812a.jpg


あ、前のオーナー姉妹?金鉱掘りに行っちゃいましたよ。
それで、わたしたち姉妹がここ、ひきついだんです。
こんなペンション、ちっとももうかりませんもんね。

若いぶたは、さみしそうに笑った。
感じのいい子なので、わたしは、言われるままに、お金を渡した。
100ガルル、ごめんなさい、ちょっと高いですよね。
ごめんなさいごめんなさいと言いながら、ぶたはすばやく、金貨をポケットにしまった。

しかし、風もない夜だというのに。日の出のころにはやっぱり安もんかつらの屋根はずりおちて、気がつけば、わたしは、露天で寝ていた。100ガルルも払ったのに!
今度こそ、なにか言ってやるのだと、勢い込んで表に出てみれば。

オーナーぶたが、屋根のしたじきになって倒れているではないか。
昇る朝日のその中で、ぶたがわらのしたじきになってもがいている光景は、なんとも哀れをそそった。
おこる気力もうせて、わたしは、ぶたを、わらから掘り出してやった。

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 11:26:17 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://mamagotomori.blog44.fc2.com/tb.php/821-fdbfbc67
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next