== おはなし ==

おはなしの箱  三匹のペンションぶた  その2

藁屋根ぶたは、涙目で、i幾度もありがとうを言った。
おわびに、妹のペンションに案内するからと。
いそいそと先に立って歩き出したのはいいが、今回も、まったく返金の話は、出ないのだった。

まあいいか。苦労してるみたいだし、まだ、わたしと似たような歳の子だし。

案の定、この前と同じ、けとばしたらガラガラ崩れ落ちそうな、丸太小屋についた。
妹だというぶたも、ひとのよさそうな顔をしていた。何度もお礼を言って、姉妹でぺこぺこと、頭を下げた。
今夜は、ここに泊まることになったが、高くてごめんなさいごめんなさいと謝りながら、やっぱり200ガルル、しっかりとられた。
現金で!
お食事をおつけしますと言ってくれて、やや気をよくしたが、晩ごはんは、わらだけだった。
惜しそうにだしてきた、特製だというドレッシングをかけながら、姉妹は、おいしそうに藁をむさぼった。
しかしこの藁。屋根に使っていたやつじゃないかという、疑惑が、ふつふつとわきあがってくるのは、いかんともしがたい。


DSC01811a.jpg


今夜はなにがおきるのだろうか。
不運だけど、悪い子たちじゃないようだし。前のぶたどもにくらべたら、全然ましだし。
あまり人を疑うのは、よくない。
わたしは、丸太小屋の二階のベッドで、眠った。

夜半、ひどくせき込んで、目がさめた。
部屋には煙が充満していて、空気が熱い!
火事だ。
わたしは夢中で、燃える階段をかけおりた。

表の空き地に、姉妹ぶたがいた。いや、三匹にふえている。


DSC01809a.jpg


転がり出てきたわたしをみて、ひどく驚いた顔をした。

今たすけにいこうとしていたんですー
ご無事でよかったわあ

などと、口々に言う、その態度は、親身だし、うそではなかろう、これは、不運な事故なのであろう。
わたしたちは、夜空に広がる煙を、しばし、並んでみあげた。

火の手は、たいしたことはなく、みなで井戸の水をかけたら、やがて鎮火した。
燃えたのは、わたしが寝ていた二階の一部だけで、一階部分は、ほとんど焼け残った。
不幸中の幸いというべきであろう。

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