== おはなし ==

木苺の誘惑 その1

ある時、カナリア雑貨店主、カナリアさんたら、売り物のカナリアこけしを作(って大儲けす)るつもりが。呪文をまちがえましてね、なんと、この世の果てから、大魔女を召還してしまいましたの。
おしゃれ雑貨店カナリア店内での、両者のすさまじい闘いは、またいつかお話しするとして。

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結果はまあ、店内のアルコール類はすべて飲みつくされたというものの、両者引き分け、痛み分けといったところでしょうか。
大魔女が意気揚々と去ったあと、ただでは起きないころばない、カナリア店主の手には、しっかりと、あるお宝が、握りしめられていたのです。

さて、時は過ぎ。
秋風が立ち始めたままごと森から、よるのうさこが、雑貨店めざして、やってきました。

なんかさー、おされであったかいお洋服でも、あるかしら。
店内に足、踏み入れて、うさこは驚きましたね。

…こたつ。
おしゃれな雑貨屋さんは、どうなったのでしょう。店の真ん中に、でんと 生活感に満ちたこたつが居座っているではありませんか。
どこ(の居酒屋)へおでかけやら、店主はみあたらず、こたつに群がってぬくぬくしているのは、渋いどてら姿の、カナリアちゃんたちでした。


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うさこが何をたずねても、この子たちからまともな返答は期待できず、やたら気がいいだけの小鳥ちゃんたちにぴーちくすすめられるまま、うさこもうっかり、おこたに入ってしまいました。

ほんとは、うさこはおこたがキライなんだよねー。この、安逸なる日常をぬるく象徴するようなアイテムがさ…でも、寒い戸外を歩いてきたうさこは、ほっこり温まって、気持ちよくもなってきました。
カナリアちゃんたちは、ぴーちくいいながら、おこたの上のみかんを食べたりなんかして、なごんでいます。

うさこは、みかんだけは拒否しようと思いました。おこたでみかんて、あまりに陳腐。

しかし、ふとみますと。みかんにまじって、とってもきれいな色の果物が。
こここれは、うさこの大好物、森のフランボワァズではありませんか。

目の中に入れても痛くないほどだぁい好きな、フランボワァズ。しかも、こんな大きな実は、みたこともありません。

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カナリアちゃんたちが、ピピピッと一斉に叫んで警告したときにはすでに遅く、宝石のように美しい木苺の実は、いっぱいにあけたうさこのお口に、吸いこまれていたのでした。

   つづく 



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