== おはなし ==

木苺 の誘惑 その3

まもちゃんは、どんどん落っこちてゆきました。
どこへって、うさこの、空っぽの眼窟に開いた、果てしない闇の世界へ、です。

どのくらい落下していたのでしょうか、でんとお尻をぶつけて、まもちゃんは、地面に倒れていました。
なんだ、ここ。ここもやっぱり、森の中?
なんだか、暗ーい森みたい…。立ち上がったまもちゃんの頭上から、声がふってきました。

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あんたはその森から、あたしの目玉を、とりかえしてくるんだよ。

目玉って…どこにあるの?

大魔女の館にさ。取ってくるまで、あんたは帰れないからね。さ、早く、さがしておいで。うさこの大事な目玉を!

まもちゃんは、仕方なく、不気味な感じの森の奥へ、歩き出しました。

確かに、森の奥から、覚えのある、魔法のにおいがしてきます。あんましよくない方の、魔法だなあ、やだなあ…。
仕方なく、まもちゃんは、そっちへ歩き出し、ほどなく、一軒のうちを発見できました。
一見、変哲のない石と木を重ねたさほどおおきくない家なんだけど、どこかが奇妙にねじれた印象の、古びたコテージ。周囲は雑草でいっぱい。いかにも、ヤバい魔女とか、住んでいそう。
そして、あたりは、濃いもやのように、強い異国のスパイスと、むっとくるくらいあまーいお菓子らしき香りがたちこめていました。
それから、うちの中からは、なかなかじょうずな、ピアノの音も。
まもちゃんは、屋敷を偵察すべく、そばの木に、一生懸命よじのぼりました。

半分以上しまった窓のすきまから、ピアノをひいている、女の子がちらっと見えます。
あれが魔女かなあ?

目を凝らしていたので、木の下に、だれかいることに、まもちゃんは、きがつかなかったのです。

「あ、かえるだ★」

まもちゃんがはっと見下ろすと、象男が、こちらをみあげて、立っているのでした。

「おいら、トメゴロー。お前,だれ?」
はて、これは、おじさんでしょうか、子供なのでしょうか、年齢がよくわかりません。

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「…まもちゃん」

「何まもちゃん?」
「ただの、まもちゃん」
「苗字も持ってないのかあ」
象男は、あきらかに、バカにしたふうで、鼻をならしました。
「おいらは、マツモト。トメゴローマツモトだ」
まもちゃんは、内心、むっとしました。

   つづく 



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