== おはなし ==

七人の白雪姫とトントゥ(小人)さん 

ある時ね、ままごと森にトントゥさんがやってきました。
遠くフィンランドからやってきた、妖精さんです。
森の中のちいさなおうちに住んで、小さなトントゥさんは、一生懸命働いていました。
ある晩、お仕事から帰ると、朝から楽しみに用意しておいた大切なごはんが、食べ散らかされているではありませんか。
このあたりには、他に人など住んでいないはず、なのに。
トントゥさんが、おなかをすかせたまま寝室に入ると、なんと、大切なベッドに、だれか寝ている!
ごはんどころか、ベッドまで盗む泥棒なんて。
トントゥさんが灯りを近づけてみると、お布団にくるまって、女の子が眠っておりました。
黒檀のように黒い髪、雪のように白い肌、血ほどにも真っ赤な唇。
こここれは、白雪姫。
このトントゥさんは、童話などよく読んでいたのですね。

ひとりぼっちで働いているだけなのは、ちょっぴりさみしくもあったので、白雪姫が来てくれて、トントゥさんは、うれしくなりました。
翌日、一日労働したトントゥさんが小さなおうちに帰ると、おやまあ、おんなのこが、もう一人増えていますよ。
このこも、黒髪白い肌。白雪姫って、一人ではなかったのかぁ。
でもさ、お花だって一輪より二輪のほうが、華やかなキモチになりますもんね。
労働意欲も湧き上がる、人のいいトントゥさんでした。
さらに翌日、帰宅すると、白雪姫は三人に増殖していました。

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さあ、がんばってお仕事するぞ。じっさい、白雪姫ちゃんたちは、小柄なわりには大食いというか。ま、その。
その後も白雪姫たちは毎日増えてゆき、7人になりました。
さすがに、トントゥさんも、7人も養っていけるのか、不安がよぎります。
お掃除お洗濯、ごはんのおしたくなんかは、みんなでやってくれるのですが小さなおうちなのでトントゥさんは落ち着く場所がないというか、そもそもなぜこのちいさなうちにみんなおしかけてきたのかなあ。
だってさ、ダイヤモンドたくさん、あるんでしょ。

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白雪姫たちが口々に、いいたてます。ダイヤモンドダイヤモンド、女子の最良のトモダチ!

トントゥさんはしまったと思いました。
少し前に町のパブに行ったとき、ついふいちゃったんだよな。
エプロンかけたおかしなカエルのバーテンにさ。ダイヤばんばん掘り出してるって…。
トントゥさんが掘っているのはほんとは、銅とかそんな金属なのです。ダイヤなんて見たこともないです。
あのカエルバーテンが、言いふらしたに違いない、すごくおしゃべりそうな、おっきなお口していたのですもの。カエルめー。

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ダイヤが無いとわかると、白雪姫たちは、文句をいっぱい言いました。7人の欲深いおんなのこの、文句大会。まあ想像してみてくださいな。
それでも、だれも、出ていくとは言いません。
折に触れ、ダイヤの件でいやみやあてこすりを言われるのにも慣れ、トントゥさんは、つまらない金属ではあっても、日々の糧を、懸命に、掘り出していました。日々は、まあまあ平穏に過ぎ、みな可もなく不可もなくという暮らしでしょうか、しかし、トントゥさんは、一年過ぎると、めっきり、ふけこんで、おじいさんになってしまいました。大家族(しかも全員女子)を一人で養ってゆくのは、大変なことだったのですねえ。
けれど、よぼよぼになっトントゥさんをみて、白雪姫たちが、いたわってくれるようになりました。年寄りには優しい気持ちが湧くタイプの子たちだったんですね。
そのうち、白雪姫たちが、作業着を着て、つるはし持って、金属堀りに出てくれるようになり、年老いたトントゥさんは、ちいさなおうちで、のんびり、お掃除お洗濯、ご飯を作って、7人の白雪姫の帰りを、待っていればいい、想像もしなかった隠居生活を送れるようになりました。
めでたしめでたし。
ですよね?


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